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夢日記 第106夜「鍋掴み達の冒険」

夢日記「Dream Diary」
10 /09 2019

こんにちは、ぽち猫です。
初めて“心太”を食べました(今回は“三杯酢”だったので、次は“二杯酢”に挑戦しようと思います)。

「夢日記アプリ」に投稿する予定だった、“夢”の物語です。




「面白い物を見せてあげましょう!」

楽しげな声が響き渡り、視界が開けた。


――


台所に、二枚の“鍋掴み”がありました。

一枚は“鮫”を象った“鍋掴み”で、どんなに熱い物でも平気な代物。
一枚は“豚”を象った“鍋掴み”で、繊細な動きで作業を熟せる代物。

二枚は大の仲良しで、いつも同じ場所で調理器具を眺めながら過ごしていました。

ある時、台所に一人の男が現れました。
男は料理を一切しないような人間で、冷蔵庫と電子レンジ以外には興味を示す事すら有り得ない程の自活能力の持ち主でしたが、この日は何を思ったのか二枚の“鍋掴み”をジッと見詰めています。

「どしたんだろうね、“鍋掴み(豚)”さん?」

「ずっと見ているね、“鍋掴み(鮫)”さん?」

二枚は不思議に思いましたが、静かに男の視線を受け止めました。
…と言うよりも、二枚は“鍋掴み”なので他に何も出来ないのです。

「よし、イケるぞ!」

突然、男が大声で言いました。
二枚はビックリしましたが、さらに驚く出来事が起こります。

「…うわぁ、捕まった!」

「“鍋掴み(鮫)”さん!」

男は“鮫”を象った“鍋掴み”を手に取ると、徐に右手に嵌めました。
パクパクと開閉する口の動きを眺めながら、“豚”を象った“鍋掴み”は心配します。

「うん、分厚いから大丈夫だろう!」

満足気に頷いた男は、“鮫”を象った“鍋掴み”が嵌められた右手を“豚”を象った“鍋掴み”に向けました。

「がおー、食ーべーちゃーうーぞー?」

随分と迫力のない声音でしたが、二枚の“鍋掴み”に衝撃が走ります。

片や、唯一無二の存在に牙を剥く事を強いられた“鍋掴み”。
片や、唯一無二の存在に牙を剥けられてしまった“鍋掴み”。

「僕から早く逃げてくれ、“鍋掴み(豚)”さん!」

「君を置いてはいけない、“鍋掴み(鮫)”さん!」

二枚の“鍋掴み”は、互いの身を心配して叫びます。
…しかし、二枚の“声”は人間の男には届きません。

――ピー、ピー、ピー。

台所に、聞き慣れた機械音が流れ出しました。
それは誰かを呼ぶように、一定の間隔で聞こえてきます。

「あっ、ヤバい!」

慌てたようにクルリと背を向けた男は、右手に“鮫”を象った“鍋掴み”を嵌めたまま何処かに向かいました。
“豚”を象った“鍋掴み”は不安そうに動向を見守りますが、角度的に何が起こっているのかが分かりません。

「…あぁ、焦げちゃった。」

しょんぼりと呟く男の右手には、弱々しい煙を漂わせた天板を咥える“鮫”を象った“鍋掴み”の姿がありました。

「ただいま、“鍋掴み(豚)”さん!」

「おかえり、“鍋掴み(鮫)”さん!」

誇らしげに笑う“鮫”を象った“鍋掴み”に頬擦りをした“豚”を象った“鍋掴み”は、小さく“熱っ!”と呟きました。


――


「…おしまい。」

十分な間を置いて告げられた“終了”の合図に、私はボリボリとした咀嚼音で応えた。

…そこは、台所だった。

壁際に寄せられた家具の隙間に、即席の“舞台”が作られている。
手作り感が満載の木枠には、ご丁寧にも厚手の布が垂れていた。

「僕の“力作”、どうでした?」

満面の笑みで問う団長に、私はゴクリと口の中の物を飲み込んでから言った。

「…この“クッキー”、苦いね?」

「そっちじゃ、ないですよー!」

真っ黒な色合いの焼き菓子は、噛む度に眉を顰める程の味だ。
…オマケに、“ハート型”の形状が惨めさに拍車を掛けている。

「大体、“取っ手”があったでしょう?」

半分に割れた物を口に含みながら、“鍋掴み”が置かれていた棚を指差した。
そこには、数多の調理器具と共に天板専用の“取っ手”がぶら下がっている。

「…見付けられませんでした。」

しょんぼりと肩を落とす団長に、私は苦笑いを浮かべる。
普段、料理をしない人間の成果としては“及第点”だろう。

「面白かったですよ。」

――“芝居”も、“料理”も…。

そう伝えると、団長はパッと嬉しそうな表情に変わった。

「もっと頑張るので、また“お願い”しても良いですか?」

「私の気が向いたら、付き合ってあげても良いですよ?」

“私物”を小道具に使われ、とんでもなく不味い物を食べさせられてしまったが…。
こういう日も悪くないと思う程度には、私も団長の事を気に入っているのだろう。

…余談だが、この話を基にした“絵本”がベストセラーになった(らしい)。


ーーここから夢の感想ーー

“芝居”の間、私は「頑張って、“鍋掴み(鮫)”さん!」、「負けるな、“鍋掴み(豚)”さん!」と、“クッキー”を摘みながら応援する程、二枚の“鍋掴み”達が繰り広げる物語を楽しんでいました。



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ぽち猫

初めまして、ぽち猫です。
猫とカタツムリと同居中の機械音痴です。

主に夢日記、どう森&ポケモン関連のプレイ日記を書いていこうと思っています。
…思っているだけです。
あくまで思っているだけで、予定はいつでも未定です。

ゆったりのんびり、猫のように気ままなブログを目指して頑張ります。