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夢日記 第56夜「星空思い出帳」

夢日記「Dream Diary」
04 /28 2017

こんにちは、ぽち猫です。
花粉対策のマスクが苦痛の季節になりましたね…(暑い)。

「夢日記アプリ」に投稿中の“夢”の物語です。




私の目の前には、一冊の本が置いてある。
真っ黒の表紙には、夜空の星のような輝きが連なっている。

そして年数が経過しているようには見えない“ソレ”は、それでも真新しいとは言えないほどには摩耗していた。


――


「平成十七年一月二十四日。」
“僕”は自分の身体を見下ろしながら、なんだか不思議な気持ちになった。
だって“僕”がここにいるのに、あの子は“僕”に縋りついて泣いていて…。
一生懸命、あの子にすり寄ってみるけど、どうやらあの子には“僕”の姿が見えていないようだ。
…さて、困った。
泣き虫なあの子を慰めてあげることが出来なくなってしまった…。
“僕”はあの子の隣で、自分の身体が涙で濡れていくのを眺めることしかできなかった。

「平成十七年二月二日。」
“私”は久しぶりに見た、白いお兄ちゃんに驚いた。
白いお兄ちゃんは言った。
“私”の声が、もうあの子には届かないってことを…。
そんなの困るって思ったけど、白いお兄ちゃんはジッとあの子を見ているだけだった。
あんなにあの子が大好きだった白いお兄ちゃんが、何もせず…何も出来ずに座っていた。
…だから、“私”も白いお兄ちゃんと一緒にいることにした。

「平成十七年三月一日。」
“私”は肩の荷が下りたような、そして言いようのない寂しさのような、複雑な気持ちで顔を歪めた。
“私”はあの子が好きだったけど、それでもずっと一緒にいることができないことは知っていた。
だから、最期まで傍にいることは決めていた。
だけど…最後って、どこまでを言うのかしら?
“私”が消えるまで?
それとも、あの子が消えてしまうまで?
“私”はぼんやりとした視界の中で、せめてあの子が泣き止むまでは…と、静かにその時を待った。

「平成十七年四月二十七日。」
“私”の前には、静かに佇む大きな塊がたくさんいた。
正直、それに対して“私”はどう反応すべきか全く分からない…。
大きな塊たちは同じ方向を向いて、どことなく寂しそうな顔で座っていた。
…だけど、寂しそうだからって、それらが安全とは言い切れないじゃないか。
“私”はボロボロの身体の上で、大きな塊と、それ等よりも大きな塊を交互に見つめた。

「平成十七年六月――日。」
“俺”は無言で佇んでいた。
そこにいる奴らと言葉が通じないことはないが…なんとなく、話すのが億劫なのだ。
“俺”は自由になったのか、それとも首輪を着けられてしまったのかは分からない。
…まぁ、時間はたっぷりあるだろう。
納得するまでは、ここで静かにしていようと思う。

「平成十七年七月――日。」
大きい白いのと、小さい茶色いのと、大きい茶色いのと、忙しなく動き続ける茶色いのと、無言でこっちを見つめる小さい白いのがいた。
“私”は巨大な影の下で、小さく首を傾げた。
…あれ?
どうして“私”はココにいるのかしら?
さっきとは反対の方角に首を傾げ、“私”はずっと考えていた。

「平成十七年十月二十八日。」
“俺”は強かった。
小さい、とか、なんかヘン、みたいな言葉はよく言われたが、それはきっと巨人の言葉で最強という意味だったのだろう。
住む国が違うだけで、言葉が通じぬ種族なのだ。
異種族となれば、似たような発音で真逆の言葉になっていることだってあるのだろう。
“俺”はふわふわした高台の上で、力強く雄叫びを上げた。

「平成十七年十月二十九日。」
兄弟の中で、“僕”が一番乗りだった。
大好きだった白いお兄ちゃんが迎えに来てくれたし、息だって、もう苦しくない。
…でも、家族と離ればなれになってしまったことが寂しかった。
別に一人になったわけでもないし、隣には優しい白いお兄ちゃんがいる。
だけど、お父さんやお母さん。
それに弟や妹と離れるのは、やっぱり“僕”には耐えられそうにないや。

「平成十八年一月九日。」
最後に食べた南瓜の煮付け、美味しかったなぁ。
いつもは鶏肉とか魚とか、脂っこいものばっかりだったから、とっても新鮮だった。
やっぱり“私”は女の子だから、甘いものに目がないのね。
…なんて、ぜんぜん関係のないことしか考えられないくらい、驚いた。
身体が軽い、軽すぎる。
おまけに隣にはドン臭い方のお兄ちゃんが、ニコニコしながら座ってた。
久しぶり、元気してた?
…ここにいる時点で、元気じゃないか。
そう納得したように頷くお兄ちゃんを、“私”は小さな手で叩いてやった。

「平成二十五年三月十五日。」
どうしよう。
ブルブルって、身体を振ったら“僕”が出た。
戻る方法を考えて、色々と試してみたけど、ゾロゾロと集まりだした知り合いたちに固まってしまった。
久しぶりって、挨拶すべき?
これからどうしようって、相談すべき?
だけど、それより大事なことを聞かないとダメだと思う。
“僕”は次のご飯の時間を聞いて、妹のビンタを食らった。

「平成二十七年八月二十一日。」
不安なことはたくさんあるけど、すぐに何かが起こるわけではないと、息を吐いた。
ずいぶん、長い時間を共にした。
けっきょく“私”は最後まであの子に心を開くことはなかったけれど、それでもだいぶ優しくはしてきたつもりだ。
“私”の子供たちがあの子が好きだと言うなら、“私”がしゃしゃり出ることもないと思ったし…。
また気ままな旅にでも、出ようかしら?
…そう思っていたのに、“私”はけっきょく、ココから離れられないのだから不思議なものよね。

「平成二十八年七月五日。」
目を開けると、ずいぶんと懐かしい顔が“私”を覗き込んでいた。
“私”がよっこいしょって起き上がると、娘が笑った。
まるでおばあちゃんみたいって言う娘に、おばあちゃんだものって、笑顔で言った。
昔は歳を取ることが怖かったけど、今の“私”にその恐怖はない。
…なかなか、どうして、この感覚も悪くはない。
“私”は久しぶりに再会した子供たちの話を、とても楽しく聞いていた。


――


ところどころ、抜け落ちた項があるようだ。

――本の糊付けが甘かったのか、それとも“故意”に抜いて行ったのか…。

私が“ソレ”らに目を落としていると、新しい項に字が浮かび上がって来た。


――


「平成――年――月――日。」
“私”は本を読むあの子を見上げて、必死に背伸びをしてみせた。
だけど、あの子はちっとも“私”を見ない。
どうして?
ねぇ、なんで?
そう叫ぶのに、あの子はポロポロと涙を零すだけ…。
どうしよう?
知ってる子も、そしてたくさんの知らない子達も見上げている。
みんな…見上げるだけで、なんにもしない。
“私”は痺れを切らせて、お得意の頭突きを叩き込んであげた。


――


目が覚めると、懐かしい温もりを感じた気がした。

――忘れていた“何か”を思い出させるような、優しい温もり…。

忘れていく、大事な思い出。
忘れたくない、懐かしい温もり。

相反する“現実”を噛みしめながら、私はそれでも抗うことを止めないのだろう…。


ーーここから夢の感想ーー

宇宙柄の筆箱とか、マスキングテープで装飾されたノートとか…そんなオリジナルの文房具を使ってみたかったです。


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コメント

非公開コメント

何故か涙が出てきました…

綺麗な星空の本なのに、内容がとてもヘビーですね…

Re: 何故か涙が出てきました…

こんにちは!
ブログ訪問&コメントありがとうございます!

…そうですね。
この夢の登場人物の共通点は、「すでに“故人”である。」という所です。

“星空思い出帳”に新しい“項”が刻まれる日が、一日でも遅くなる事を願い続けています…。

お優しいコメント、本当にありがとうございました!

ぽち猫

初めまして、ぽち猫です。
猫とカタツムリと同居中の機械音痴です。

主に夢日記、どう森&ポケモン関連のプレイ日記を書いていこうと思っています。
…思っているだけです。
あくまで思っているだけで、予定はいつでも未定です。

ゆったりのんびり、猫のように気ままなブログを目指して頑張ります。