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夢日記 第62夜「悩める絵描きと赤いペン」

夢日記「Dream Diary」
05 /31 2017

こんにちは、ぽち猫です。
朝、起きると…部屋の温度が“ヤバい”レベルまで上がっていました(28.6℃…)。

「夢日記アプリ」に投稿中の“夢”の物語です。




「自分の“絵”に自信が、なくなっちゃったんですよね…。」

そう呟く彼女は、とても寂しそうに笑っていた。


――


簡略化された肢体。
印象的な大きな瞳。
強調したい部分だけを塗る手法。

ペラペラとスケッチブックを捲る度に、隣に座る彼女の身体がビクリと跳ねた。

――彼女の絵は、確かに特徴的な絵柄と言えるのだろう…。

丸と線を組み合わせたような、独特の雰囲気を醸し出す絵。

正直に言うと、私には彼女の絵が上手いかどうかの判断は出来ない。
…しかし、知識のない私でも、少しだけなら分かる事もある。

――何処までも、無駄を省いたデザイン。

描く部分が少ないという事は、絵の表現力に自信があるという事だ。
半端な知識で描写を減らせば、それだけで“粗”も目立つから…。

…だから、彼女の絵柄は“ある意味”では上級者向けなのだ。

「…ふむ。」

最後まで見終わり、持ち上げていた手を下ろす。
摘まみ上げられて項がパラパラと元の位置に降りてくる。

「…私は好きだけどな、あなたの絵。」

――普段、絵を描かない私でも…。自分の好きな絵柄くらい、なんとなくなら分かるものだよ。

彼女より上手に絵を描ける人は沢山いるだろうし、彼女の絵が素晴らしく上手だとは思わないが…。

それでも私は彼女の描く絵が好きだったし、彼女の描く世界観も好きだと言えた。


――


引き戸に背を預け、私と彼女は並んで座っていた。

窓際の少しだけ空いた隙間に身体を捻じ込み、膝を立てて座る彼女。
その隣で私も同じ体勢で座り込み、引き戸に身体を押し当てて反動を楽しんでいた。

「…たまには、お母さんも絵を描くな!」

台所から出て来た母が、引き戸にコピー用紙を貼り付けて絵を描き始めた。

白い養生テープを小さく切り、無造作に壁に貼り付けた紙。
デコボコとした壁紙の上で描くのは難しいだろうに、母はサラサラと鉛筆を動かしていく。

俯き、何かを考えるように視線を彷徨わせる彼女を横目で見ながら、私は苦笑する。

――お母さんの絵は、今の絵柄とはだいぶ違うからなぁ…。

儚く、繊細なタッチ。
一昔前の少女漫画で流行っていたであろう細い線。

幼少期に“絵”というものに触れて来なかった私でも、今の絵柄とはだいぶ雰囲気が違うと感じるレベルだ。

――まぁ、私よりは描き慣れているんだけどね…。

そう思いながら、母を見上げ…固まった。

力強い主線。
鉛筆の濃淡をコレでもかっ!と使った細かい表現。
白黒の中でも眩しい輝きを放つ…“芸術作品”。

絵柄云々以前に、素直に“上手い”と感じる絵がそこにはあった。

…しかし、私の意識は別の驚きでいっぱいだった。

「ま、待って!そ、それっ!」

美しく整った顔の少女。
着物のような衣装に身を包み、ニッコリとこちらに笑顔を向けている。

腰掛けている少女の身体はとても自然な体勢で、風に流れる髪なんて今にも動き出しそうだ。

「それ、“ウチの子”!?」

そう叫ぶと、母はイタズラが成功した子供のような…気付かれた事が嬉しいながらも、少しの照れを隠し切れないような表情を浮かべた。

「そうやで。アンタ、こういう子をよく描いとるやろ?」

ニコニコと笑う母に、私はどういう言葉をかけるべきなのだろうか…。

母はマイペースに、画材を鉛筆から赤いペンへと持ち替えていた。

…それは、絵に特化したペンではない。
至って普通の、文字を書く事を前提として作られたであろう安物の赤ペンだ。

母は大胆な動きで、少女の絵が描かれた紙にペンを走らせる。
少しだけ太いペン先が絵をなぞる度に、鮮やかに色付いていく…少女。

――凄ぇ…。なんか、よく分からないけど…。とりあえず凄ぇ…。

ついでのように少女の目に赤の色が塗られると、一気に惹き込まれた。

それは影のように、意味のある着色ではない。
だが、無造作に色を置かれただけの絵の美しさに…魅せられてしまった。

…だから、私はその絵を壁から引き剥がした。

「…お母さん、いつの間に絵柄が変わったん?」

顔を寄せて近くで見ても、何の欠点も見当たらなかった。
…むしろ、溜め息さえ漏れてしまう出来だ。

――自分が描くよりも、生き生きとしている少女の姿…。

「さぁ?気付いたら、そんな感じやったわ。」

クスクスと手で口元を覆いながら、母は手を振って台所に戻って行った。
…隣に座ったままの彼女はまだ思案を続けているのか、反応がない。

私もしばらくの間は母の絵を握ったまま考え込んでいたが、ふと気付いて養生テープを綺麗に剥がそうと指を伸ばしたのだった。


ーーここから夢の感想ーー

この夢に出て来た“絵”を描き上げたかったのですが…仕上がるのは、一体いつになるのでしょうね?


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コメント

非公開コメント

素敵な夢日記ですね!《*≧∀≦》

小説にできそうです!《*≧∀≦》

Re: 素敵な夢日記ですね!《*≧∀≦》

こんにちは!
ブログ訪問&コメントありがとうございます!

“小説のような夢日記”を目指しているので、そう言って頂けて本当に嬉しかったです!
これからも「もっと分かりやすく、もっと楽しめる夢日記!」を目指して、頑張りますね!

お優しいコメント、本当にありがとうございました!

前半と後半で、登場人物の立場がガラリと変化していますね!

私は絵も下手ですが、どちらかと言うと文章力の方が欲しいです!

Re: 前半と後半で、登場人物の立場がガラリと変化していますね!

こんにちは!
ブログ訪問&コメントありがとうございます!

前半は‟彼女の悩み”、後半は‟母の意外すぎる画力”を中心に夢が展開していました。

彼女の画風はかなり特徴的だったので、今でも詳しく絵柄を思い出せるのですが…。
如何せん、母の素晴らしすぎる‟芸術作品”に全てを持っていかれてしまいましたね。

私も絵を描く事は嫌いではなのですが、上手く表現できないレベルの“下手っぴ”です。
それに文章力もまだまだ拙い部分ばかりが目立つので、もっと期待に応えられるように頑張らないといけませんね。

お優しいコメント、本当にありがとうございました!

ぽち猫

初めまして、ぽち猫です。
猫とカタツムリと同居中の機械音痴です。

主に夢日記、どう森&ポケモン関連のプレイ日記を書いていこうと思っています。
…思っているだけです。
あくまで思っているだけで、予定はいつでも未定です。

ゆったりのんびり、猫のように気ままなブログを目指して頑張ります。