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夢日記 第24夜「白い枷の正体は…。」

夢日記「Dream Diary」
01 /02 2017

こんにちは、ぽち猫です。
朝起きると、パソコンさんが猫の粗相で水没していました…。

「夢日記アプリ」に投稿中の“夢”の物語です。




――“助けて”。

その一言を言える人間は、きっと強いのだろう。
何故なら、自分の弱さを他人に見せる勇気があるのだから…。

鉛筆で乱雑に塗りつぶしたかのような…黒い影。

倒れこむ私を覗き込むように、もしゃもしゃと形作る足長の影は言う。

――何かの絵本に、こんなシーンがあった気がする…。

夕暮れ時の、薄暗い背景。
サラサラとした乾いた砂はとても冷たいのだが、それすらも気にならないほど、その異形な姿の影から目が離せない。

「言えばいいじゃないか。“助けて”…ってね?」

そう言われたから、私は“助けて”と叫んでみた。

…だけど、叫ぶだけでは届かなかった。


――


気が付くと私の腕を汚していた砂の感触は消え、石畳の冷たさに変わっていた。
ざわざわと、人々が動く音と残像が、早送りされるように目まぐるしく移り変わっていく。

人が多く行き交う通り。

私はもう一度、“助けて”と言ってみた。

「みんな苦労しているんだよ?」

返って来たのは、呆れたような侮蔑の視線。

「どうしてそんな事で他人を頼るの?」

…でも、それは仕方がないことだとも思う。

「誰でも出来る事ができないなんて、ただの甘えじゃないか。」

“助けて”と言われて、“助けましょう”と即答できる人の方が少ないのだ。
むしろ、“助けてほしい”と悩んでいる人の方が多いのだ。

人並みに着飾っていても、その人たちの心を占める感情。

…それはきっと、劣等感。


――


明るいざわめきに手を伸ばす。
私が倒れている路地裏は、あまりにも冷たすぎる。

しかし、手を伸ばしながらも、私の心は冷静だった。

自分が解決できる、または手助けできる内容だって、限られている。
だったら、他の救難信号を振り払ってでも、助けられる“命”を優先させるべきだ。

――私はあの人たちから見て、切り捨てるべき存在なのだ…。

…伸ばした右手は誰にも届かず、静かに石畳の上に振り下ろされた。


――


白い枷に包まれた右足を庇いながら、ゆっくりと起き上がる。

身体はすっかり冷え切り、節々が痛い。
薄汚れた姿で前に踏み出す私の姿は、さながら“幽鬼”の様だろう。

足を引き摺って、人込みへと向かう。
だけど、忘れていたはずの痛みは声が出ないほど鋭くて、涙が出そうだ。

必死に耐えて、人々に助けを求める。
しかし、霞む視界の中で見たものが“嘲笑”と“嫌悪”だけだったから…。

私は泣くことすらも忘れて、ただ茫然とそれらを眺める事しかできなかった。


――


視線に耐えかねて、路地裏に戻る。

そこには汚らしい布切れで身体中を隠す人々がいた。
私のように動ける人は少ないのか、こちらに視線を投げることすら行わない。

…同情心や、哀れみは感じない。

いくら多少“マシ”とは言え、町の人々から見れば私だって大差ない風貌をしている。

…そして私は助けられるような人でもないし、私が助けられるような問題を抱えているわけではないのだと、悟っていたのだ。


――


美しい装束に身を包む人々。

「悩みは相談しましょう。」

眩しいほどに白いソレを纏う姿は、神々しさすらも感じた。

「みんなで考えれば、きっと解決策が見付かります。」

煌びやかな宝石を身に付ける四肢はふっくらとしている。

「怖がらないで、勇気を出して。」

彼らはきっと、“飢え”とは無縁な日々を送っているのだろう。

「あなたの悩みを、教えてください。」

…しかし、そう謳う人々に、私の悩みは届かない。


――


「そんなことで悩んでいたの?」

そう背を向けた人に手を伸ばしても叩かれるだけだ。

「あなたは怖がっているだけで、あとちょっとの勇気があれば解決するわ。」

そう説明されるだけ、マシな扱いだと…“あの時”学んだではないか。

「大丈夫。だって、私には話せたでしょう?」

私は助けてと叫ぶ人の前を通り過ぎ、そしてその人たちより前を歩く人に肩を貸す人たちを何人も見てきた。

結局、立って自分の足で歩けない人は助けることができないし、助けようともしないのだ。

――理由があっても、なかったとしても…。

倒れた人間が起き上がるために必要なことは、“優しさ”や“努力”でも何でもない。

…枷となる、“痛み”を忘れる事だけなのだ。


ーーここから夢の感想ーー

白い枷の正体は…ただの“ギプス”です。



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コメント

非公開コメント

なんだか哲学的ですね!

登場人物に凄く、無常観を感じました…

Re: なんだか哲学的ですね!

こんにちは!
ブログ訪問&コメントありがとうございます!

舞台設定的には、‟身分制度”があった時代だと思います。
自分とは“住む世界”が違う人達との関わり方を考える事すらしなかった時代…等の背景があったので、余計に寂しく感じるのでしょうね。

…でも、内容はシリアスで悲しいものでしたが、物語性のある雰囲気は嫌いではないです。

お優しいコメント、本当にありがとうございました!

ぽち猫

初めまして、ぽち猫です。
猫とカタツムリと同居中の機械音痴です。

主に夢日記、どう森&ポケモン関連のプレイ日記を書いていこうと思っています。
…思っているだけです。
あくまで思っているだけで、予定はいつでも未定です。

ゆったりのんびり、猫のように気ままなブログを目指して頑張ります。