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夢日記 第25夜「バスの中の、非日常」

夢日記「Dream Diary」
01 /03 2017

こんにちは、ぽち猫です。
乾燥する季節である冬ですが、我が家の湿度計に“湿度70%”と表示されている恐怖…(我が家の“除湿器君”は毎日、稼働している働き者です)。

夢日記アプリに投稿中の夢のお話です。




――ストレートな言葉より、オブラートに包まれた言葉の方が傷付く事もある。

そこは小さなバスの中。

ガタガタと揺れる車内には、エンジンの揺れが奏でる大きな音と、買い物袋が揺れる音。
あとは音漏れが激しいイヤホンから漏れる、忙しない音楽が響いている。

私は椅子に座っていた。
一人ぼんやりと、流れていく風景を眺めている。

他の乗客たちも、いつもと大差ない感じだ。

古い型のイヤホンで音楽を聴いている…らしい、今時の兄ちゃんは携帯を弄っているし、大きな身体で席を占領し、大声で楽しそうに談笑するマダム達も、いつも通り近所の家庭事情に物申している。

席は程好く空いていて、次のバス停で今乗っている乗客と同じ人数が乗り込んで来ても余るくらいだ。


――


私は読んでいた小説を膝の上に置いたまま、ぼんやりと外を眺め続けていた。

「若者が座り込むなんて、恥晒しも良いとこだっ!?」

気が付くと、顔に影がかかっていた。
目線だけ動かして、それを確認し…私は眉を顰めた。

――昼間っから酔っぱらいやがって…。どっちが恥晒しだ。

馬鹿みたいな大声にも腹が立ったが、私が気分を害したのは酔っ払いの“戯言”の方だ。

赤ら顔で息が荒く、バスの動きに合わせてヨタヨタしている。
そんなオッサンの喚き声が真横から聞こえてくる時の気持ちは…。

満場一致で蹴り飛ばしたくなるだろう…と、断言できる。

私は背を向けて喚き散らしている酔っ払いを睨み付けるが、それは私など眼中にないのか喚き続けている。

酔っ払いに絡まれているのは、幼い顔立ちの少女。
彼女はムッと口を曲げて、酔っ払いの酒臭さに嫌悪感たっぷりの侮蔑の表情を投げていた。

酔っ払いはそれが気に入らなかったのか、ドンドンとヒートアップしていく。

音楽のせいでそれに気付かない兄ちゃんも、そんなことは関係ないと言うように不倫話に花を咲かせる奥様方もこちらを見ない。

…気付いているのは、私だけ。

私はゆっくりと酔っ払いに向かって、ある“もの”を突き付けた。


――


「居場所なんて、人間の数だけあるハズなんだ。」

眩しい笑顔で彼女は言う。

「それこそ星の数にも匹敵する程に…ね。」

そう笑って優しく背中を押す笑顔が、眩しかった…。


――


空いてある席は確かにある。
それこそ、歩き回った分だけ空席を見付ける事ができるくらい。

――だけど、誰のものでもないハズの椅子に座る権利があるかは…“別問題”なのだ。

「あなたは若いから、他の人に譲りなさい。」

幾度となく、遭遇してきた光景だ。

「まだまだ探す時間も体力もあるでしょう?」

場所がないならハッキリと、そう言ってほしかった。

「こっちの席には先約がいるんだ。」

ギプスを引きずった時も…。

「あそこの席の方が、あなたには合っているわ。」

お腹を押さえて耐えた時も…。

「…だから、この席にあなたを座らせるわけにはいかないの。」

汗だくで眩暈と戦っていた時さえも…。

――誰もが遠巻きに眉を顰めるだけで、拒絶する…。

しかし、拒絶されるだけなら、まだ良い方なんだ。
“ここにはあなたの座る場所はないんだ…”と、断られるだけなら仕方がないと諦められる。

だけど…。

「座っていいよ。」

「隣においでよ。」

「ここに空席があるよ。」

そう言って、トントン手招きしをして呼ぶくせに…。

「思っていた人と違う。」

「若いんだから我慢しなさい。」

「呼んでいたのは“あなた”じゃないの。」

そう言って、拒絶する事だけは…。

…“意地悪”だと、思うんだ。


――


怪我をして、立っているだけでも痛いと言っても…。

「リハビリだと思えば頑張れるよ。」

具合が悪くて辛いんだ、と伝えても…。

「…お大事に。」

一言、良いこと言った。
そんな顔をして、私の肩を労うように叩くその手が重かった。

邪魔だ…と、押しのけられた時以上の虚無感が、苦しかったのだ。


――


居場所があるよ、と笑顔で呼ぶ人は確かに人の数だけ、星の数だけいるのだろう。
だけど、そこに座れる“権利”を持っている人も星の数かと聞かれれば…。

答えはきっと、ノーだろう。

――座らせてくださいと伝えても、ダメだと言われる人も…確かにいるんだ。

弱肉強食は仕方がないにしても、あなたにはまだまだ違う可能性があるんだと蹴り出す人の笑顔は、すごく痛かった…。


――


酔っ払いは背中に感じたものに気付いたのか、私に視線を寄越し…そして固まった。

「ねぇ、オジサン?私、酔っ払いって…大嫌いなの。」

人からよく褒められる声で、言ってあげた。

私の見た目的には微妙なところだが、声だけなら自信がある。
出血大サービスで、本当に可愛らしく…猫撫で声を出してやったのだ。

「だから…ね?オジサン、もう少し離れてくれないかしら?」

私は首を傾げて、酔っ払いの背中に触れている“もの”を強く押し付ける。
…その際、にっこりと笑ってあげるのもポイントだ。

――だって、酔わないと強気になれない迷惑な輩なんて…。けっきょくは“小心者”でしかないのだから…。

見る見るうちに顔色を青くし、冷汗をかき始める酔っ払いに向けて…最終通告。

「…降りないの、かな?」

ゆっくりと目を細める。

…大丈夫だ。
私には演劇経験が全くないが、酔っ払いを騙しきるくらいの演技力は備えている…と、思っている。

その証拠に、酔っ払いの震えが一瞬止まったかと思うと…ヒィっ!と情けなく叫んで、滑るように降りて行った。

「お客さーん!お金、お金ーっ!?」

運転手のおじさんが怒鳴り、やっと気付いた他の乗客たちがざわめき出す。

「なんだ、なんだ?」

「ちょっと、早く動いてよね!冷凍食品が腐っちゃう!?」

「やだっ、あれ――さんとこの旦那さんじゃないっ!?」

うるさくなった車内で私は、絡まれていた少女を見る。

ぽかんと口を開けてこちらを見る彼女に、私は酔っ払いに向けていた“もの”の標準を合わせる。
ビクリと肩を竦める彼女に、しぃー…と、口に指を当てて引き金を引く。

――ぽんっ!

銃口から飛び出す、小さな薔薇の花が絡みついた棒付きキャンディー。
それを彼女に手渡しながら、私は驚き固まる彼女に片目を瞑って囁いた。

「今のは誰にも、言わないで…ね?」

先程と違い、地声に近い低い声。

やっと笑ってくれた彼女に私も笑い、指先で手品用の“愛銃”を回してみせた。


ーーここから夢の感想ーー

なんという、キザな対応。



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コメント

非公開コメント

内容は明るくないのに、なんだか格好良いですね!

私はすぐに怒り出す人が大嫌いなので、周りの迷惑を考えずに怒鳴り散らしたオジサンがちゃんと懲らしめられたシーンでスカッとしました!

Re: 内容は明るくないのに、なんだか格好良いですね!

こんにちは!
ブログ訪問&コメントありがとうございます!

私も、ちょっとした事で怒る方は苦手です。
「ムカついても、まずは“五秒間”我慢する。」をモットーとしている私からすると、「そんな些細な事で怒鳴ったりして、疲れないのかな?」と、不思議に思ってしまいます。

この夢のように、スマート?な対応が出来る大人に早くなりたいものですね…。

お優しいコメント、本当にありがとうございました!

ぽち猫

初めまして、ぽち猫です。
猫とカタツムリと同居中の機械音痴です。

主に夢日記、どう森&ポケモン関連のプレイ日記を書いていこうと思っています。
…思っているだけです。
あくまで思っているだけで、予定はいつでも未定です。

ゆったりのんびり、猫のように気ままなブログを目指して頑張ります。