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夢日記 第85夜「鉄錆色の願い」

夢日記「Dream Diary」
09 /15 2017

こんにちは、ぽち猫です。
ダヤン君通院生活77日目…スタッフさん達に「目が大きくて、カッコ良いねー!」と、べた褒めされる。

「夢日記アプリ」に投稿中の“夢”の物語です。




羽ばたきを知らぬ鳥は去っていく。
一筋の雲だけをその場に残し、彼等は静かに巣へと戻るのだ。

――立つ鳥、跡を濁さず…。

飛んでいく鳥は、大地には何も残さない。
たった一つの閃光だけで、すべてを奪って消えていく。

真っ黒に染まった病院。
生と死の狭間にあったこの場所に、生き物の気配はもうない。

手を伸ばし、消し炭になってしまった日記帳に触れる。

…その瞬間、彼女が残した“生きた証”は崩れてしまった。


――


私の目線は低かった。
隣に腰掛けている彼女がとても大きく感じるくらい、私は小さな生き物だった。

クンクンと鼻を動かすと、彼女はそれを見て静かに笑う。

黴と埃の混じった、古びた建物の匂い。
開いた窓から入ってくる、生活の匂い。

――彼女から漂う、病の臭い。

仕方がない事だと、彼女は笑って私の頭を優しく撫でる。
しかし、彼女の状況は仕方がない事だと割り切れるものではなかった。

――いっその事…黒く塗り潰されていれば、どんなにか良かったことだろう。

そう呟く彼女の口元は笑みを浮かべていたが、空の彼方に滲む白い線を眺める瞳はひどく悲しげだった。


――


お世辞にも美味しいとは言い難い味噌汁をチビチビと舐めていると、彼女はか細い声で大きな“独り言”を呟きだした。

“人間”という生き物が犯した“罪”のことを…。
その“罰”を受けるのは、いつだって無関係な“生き物”たちであることを…。
自分は“人間”だが、“罰”を課せられた時点で同じ“人間”として扱われなくなってしまったことを…。

――私を“こんな姿”にした“人間”はこう言ったわ…“化け物”って。

フフフ、と静かに笑う彼女は、特徴的な大きな目を私に向ける。
ボロボロとこぼれる小魚の破片を摘む彼女の手は、包帯では塞ぎ切れぬほど濃厚な“死”の香りを放っていた。

口を開くと、そっと小魚の破片を舌の上に置かれる。
モグモグと咀嚼する私の頭を撫でながら、彼女は誰にも届かない“願い”を口にした。


――


誰もいなくなった黒炭の街。
土埃の混じる風が細いひげを優しく揺らし、灰になった日記帳を空へと舞い上がらせる。

その頭上を飛び去っていく鉄の塊に、思うことがないわけではないのだけれど…。

――きっと、私たちの“願い”は同じものなのでしょうね…。

「許したいし、許されたい…。」

倒れていったもの達が、最期の時まで握り締めていたものは“何”だったのだろうか?
立ち去っていくもの達が手に入れたものは、本当に“正義”だったのだろうか?

両者に等しく降り注いだ雨の色は…はたして“透明”と呼べるものだったのだろうか?

――いつか、彼女が“ココ”に存在していたという“事実”すらも…風化してしまうのだろうか?

ほとんど空に溶けてしまった雲の名残を見て思う。

――これ以上、無意味な争いで“彼女の世界”を壊さないでおくれ…。

身体を屈め、彼女だったものへと頬を摺り寄せた。
彼女だけが褒めてくれた自慢の毛皮に、彼女の“香り”が纏わりつく。

…その直後、地面を揺らすほどの大きな“音”が辺り一面に響き渡ったが、私は彼女の傍から離れることなく目を閉じた。


ーーここから夢の感想ーー

近くでも遠くでも“怖いニュース”ばかり…。
*せめて“夢の中”だけでも、平和を堪能したい。


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コメント

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この前の夢

正夢になりました

Re: この前の夢

こんにちは!
ブログ訪問&コメントありがとうございます!

ご報告、ありがとうございました!
…私も出来るだけ早く、“夢日記”をまとめないといけませんね!

お優しいコメント、本当にありがとうございました!

「滅亡シリーズ」の夢日記と、雰囲気が似ていますね!

でも、こちらの夢日記は涙が出るくらい悲しい内容ですね…
まるで、戦争映画を観た時のような気分です!

Re: 「滅亡シリーズ」の夢日記と、雰囲気が似ていますね!

こんにちは!
ブログ訪問&コメントありがとうございます!

仰る通り、“滅亡シリーズ”の前日譚に焦点を当てた内容の夢です。
…恐らくですが、“過去”編と同時期に違う場所で起こった出来事の物語だと思います。

お優しいコメント、本当にありがとうございました!

ぽち猫

初めまして、ぽち猫です。
猫とカタツムリと同居中の機械音痴です。

主に夢日記、どう森&ポケモン関連のプレイ日記を書いていこうと思っています。
…思っているだけです。
あくまで思っているだけで、予定はいつでも未定です。

ゆったりのんびり、猫のように気ままなブログを目指して頑張ります。